お知らせ

「海士乃塩」事業について

このたび、長年にわたり皆さまからご愛顧いただいております「海士乃塩」の事業を、株式会社ふるさと海士様より、株式会社 海士が引き継ぐこととなりました。

これまで海士乃塩を育ててこられた前任の方の想いと、この地の恵みを大切に、島の営みと文化である製法と品質を守りながら、さらに新たな価値を皆さまにお届けできるよう努めてまいります。

今後とも変わらぬご愛顧、ご支援を賜りますよう心よりお願い申し上げます。

藻塩やく 海士のたく縄 うちはへて くるしとだにも いふかたぞなき
── 遠島百首

海士乃塩とは

島根県隠岐諸島の海士町で作られる伝統的な塩です。
日本海に浮かぶ隠岐の島の海士町では、対馬海流が打ち寄せ、海藻やアワビが育つ自然豊かな海が広がっています。

古来から海洋民・海部(あまべ)の住む土地であったことから、現在も海士(あま)という地名を残すこの地では、中世に御配流となった歌聖・後鳥羽上皇の御製御歌にも塩作りの情景が詠まれているように、中世の頃から塩作りが行われてきました。

塩の専売が始まる終戦前後までは、竹を利用した濃縮法により天然塩作りが行われていました。その伝統技術を継承しようと1998年前後より地元有志を中心に町内福井地区にて、「横瀬原塩宴会(よこせばらえんえんかい)」というグループを結成し、地元小中学生を対象に年数回の「海水からの塩作り講座」を行っていたそうです。この「塩宴会」はもとは「塩々会」でしたが、夜通しお酒を呑んで語らいあいながら薪をくべる楽しさを名前に取り入れようということでこの名前になったそうです。
この「塩宴会」が株式会社 ふるさと海士へ技術の継承を行い、2004年に、伝統製法に基づく生産工場である「海士御塩司所(おんしおつかさどころ)」建設に至りました。

塩作りを支える自然の恩恵に感謝する意味を込め、海士乃塩はこの町の象徴的存在でもある後鳥羽上皇をお祀りする隠岐神社に奉納されています。

保々見湾の澄んだ海水を原料に、島内の薪を使い、海風と太陽の力を借りて作られる海士乃塩。
遠心分離機を使わない昔ながらの手法で、塩本来の旨味と豊かなミネラルを残した、きりっとした旨味もある塩味は、素材の味を引き立てます。

海士乃塩ができるまで

海水の汲み上げ
保々見湾は日本の名水百選にも選ばれた天川の水が流れ込む湾でもあり、濃厚でクリーミーなブランド牡蠣「いわがき春香」の産地としても知られています。隠岐の島の豊かな自然環境で育まれた海水には豊富なミネラルが含まれており、海士乃塩の深みのある味わいにも繋がっています。

枝条架での濃縮
竹の枝を組んだ「枝条架(しじょうか)」に海水を通し、海風の力で水分を蒸発させて濃縮します。海水は枝条架の上を流れ落ちる間に、島特有の海風に触れることで自然に水分が蒸発していきます。この工程により、海水のミネラル濃度が高まり、より濃厚な塩の素となる鹹水(かんすい)が出来上がります。人工的な加熱をせず、自然の力を活かした伝統的な方法です。

平釜での煮詰め
濃縮した海水を大きな平釜に入れ、海士町の森で採れた薪や解体された廃材を燃料として使用します。強すぎず、弱すぎず火加減を調整しながら、8時間かけて海水を煮詰めていきます。この工程で塩の結晶が形成されます。檜の脱水層に移し、一晩かけてゆっくりにがりを絞り出します。

脱水後に天日干し
平釜で煮詰められた塩は、天日干し棟へと運ばれ、太陽の光を浴びながら自然に水分を蒸発させます。特に冬場は時間をかけて乾燥させますが、固まった塩の粒を何度も掌で細かく砕き、サラサラな粒子に仕上げていきます。この手間を惜しまない天日干しと手作業が、海士乃塩の品質を高めています。

手作業の検品と異物除去
天日干しが終わった塩は、手作業によって一つひとつ丁寧に異物が取り除かれます。

お問い合わせ
海士乃塩のお問い合わせは下記までご連絡ください。
担当:杵築(きづき)
メールアドレス:product@oki-ama.com
電話番号:08514-2-1510